Kindle書籍が消えた
ハイライト
- 米国Amazonアカウントを削除
- 道連れで日本Amazonアカウントで購入したKindle書籍が全部消えた
- 米国Amazonと日本Amazonアカウントの結合が原因
- Amazonアカウント削除の際はよく確認しましょう
- 特殊ケースということで直近1年分は返金してもらった
- もうKindle書籍は買わない
- 最近はPDF書籍が増えているので、電子書籍はそちらへ移行中
- 紙書籍もやっぱり良い
ドットコムアカウントの削除
ある日クレジットカード明細を確認していると、見に覚えのないAmazon Prime会員費の支払いが発生していた。
もともとAmazonのヘビーユーザーだし、Prime会員であることは間違いない。だが、おかしいことが1つある。
Amazonに登録していないクレジットカードで会員費支払いが発生していた。
どうなってるんやろう?
と即座にカスタマーサポート(CS)へ問い合わせるも、その支払い履歴をAmazonで把握できないようだった。
そこで最後に「もしかしたらドットコムの方のアカウントをお持ちでありませんか?」と担当者から確認を受けた。(余談だが、日本Amazonの方は米国Amazonを「ドットコム」と表現することがよくある。これ以降はその表現に従う。)
確かに遠い昔、洋書Kindleを購入する際にドットコムアカウントを作成した。Prime会員になった憶えは無かったが、会員だったようだ。
日本Amazonとは異なり、ドットコムの方はカスタマーサポートを通すことなく、オンラインでアカウント削除ができる。
ドットコムアカウントは不要だったので、誤って支払いが発生してしまうことを防ぐためにもアカウントを削除した。
「なにもしていないのにKindleきえました」
ドットコムアカウント削除から数日、Kindleで本を読もうとアプリを起動すると、書籍が全てなくなっていた。 初めてKindleを利用する時のような画面が表示されている。 Android, iPad, Mac全てのKindleアプリを確認しても全部状況は同じ。何もない。 恐る恐る、amazon.co.jpのマイページからコンテンツを確認すると、コンテンツは全て消えていた。
Kindleから本が全部消えてる…
— のこの (@no_ko_no) 2021年3月30日
この前米国Amazonアカウント削除した時に道連れになった疑惑。
当時は楽観的だった。
「何でか分からへんけど、ドットコムアカウント削除と同時にKindle消えたんか?まあでも注文履歴残ってるし、日本アカウントで買った分は復活させてくれるやろ。」
こうして日本AmazonCSとのやり取りが始まるのであった。
知らない番号からの電話
消えたことに気づいたのが3月30日、初めての問い合わせが4月11日、問い合わせ完了したのが8月22日だった。
問い合わせ当初、CSの返事からして複雑なシステムの問題である様子が伺え、ソフトウェア業界の片隅にいる私としては、「Big techの内状を垣間見えるかも?」と少しワクワクした。
しかし、楽観視していたのも束の間、2ヶ月経っても何も進捗がない。痺れを切らし、復元を諦める代わりに全額返金を要求した。
それから約2ヶ月後、見慣れない番号から着信が入った。
知らない番号からの電話は取らず、web検索して発信元を特定した上で折り返す主義の私は、いつも通り検索するとどうやら日本Amazonからの着信だった。
どうやら、特殊ケースのため専属担当者がつき、この方が私の問い合わせの面倒を見てくれるらしい。Aさんはとても協力的な方で、日本Amazonの主張を明確に伝えつつも、私の要望にできる限り対応しようとしてくれた。
業務ミーティングの先に見えたもの
Aさんからは書籍復元にあたり、私が取るべき行動を指示された。既存アカウントと同じメールアドレス、名前で新アカウントを作成する、というものである。同じ情報のアカウントであれば、書籍が消えた旧アカウントから新アカウントへ書籍を移動する
という形で復元できるかもしれない、とのことである。なぜそんなことができるのかは全く分からないが、私にはそれしか頼るべき術がない。
日本Amazonでは、パスワードが異なれば同じメールアドレスや名前で、異なるアカウントを作成できることをこの時知った。
電話を切った後にAさんの指示通り新アカウントを作成しても、私からAさんへ連絡を取る手段はない。着信履歴に残る電話番号に折り返しても繋がらないし、メールで問い合わせるとランダムに担当者が割り振られてしまう。
ユーザーからCSの個別担当者へ直接連絡を取る方法は無いらしい。不親切な設計だと思いつつも、そこらへんの割り切りは米国企業っぽい気もする。
そこでAさんとは、Aさんが私にxx月yy日zz時頃電話を掛けるという約束をした。
その約束までに私はアカウント作成という課題をこなし、Aさんは私の質問を調査し回答を用意するという、まるで業務ミーティングである。
このようなミーティングを複数回繰り返した末、ようやく日本Amazonで書籍移動
を試みてくれたものの、結果は失敗に終わった。
私は10年近く購入し続けたKindle書籍を全て失うこととなった。
誠に恐れ入りますが全額返金はできかねます
書籍移動が失敗に終わった連絡とともに、Aさんは書籍が消えた理由も教えてくれた。
「お客様の要望により、日本Amazonアカウントとドットコムアカウントが結合しKindle書籍が共有され、ドットコムアカウント削除時に書籍も全部削除されています。」とのこと。
ドットコムアカウント削除時に私はKindle書籍が全て削除されます
というような退会規約に同意しているらしい。
退会時に規約は全く確認していない。これは私の落ち度だ。しかし、ドットコムにKindle書籍が紐付いているとは全く考えもしなかったので、規約を確認していても、結局アカウント削除して書籍も全て消えていただろう。
更に、「誠に恐れ入りますが全額返金はできかねます」とも付け加えられた。私が同意した上でアカウント削除したからだ。
日本Amazonとドットコムの結合要望、これは正直記憶が怪しい。大学生の時にドットコムでKindle洋書を購入し、結合要望出した気もする。それくらい昔に要望していた。 今は結合要望を受け付けていないらしいので、現時点で結合していない場合は問題ない。 ただ、結合の有無をAmazon管理画面から自分で確認することはできず、CSへ連絡を取る必要がある点だけ厄介である。Amazonアカウント削除前にCSへ確認取ることをオススメする。
Kindleは本そのものを購入するのではなく、本を閲覧する権利を購入するだけであり、読めなくなることもある
これを理解した上で書籍を購入していたし、ドットコムアカウント削除を適当に済ませた自分に落ち度があるので、今回の事件でも腹を立てることはなかった。
ただ、やはり10年近く貯めた書籍を一瞬で失うのは悲しいことである。
そんな私の胸中を察してか、Aさんは「特殊対応として、直近1年くらいであれば返金できるかもしれません。確認してみます。」と社内で掛け合ってくださり、1万円と少しの返金をギフト券として受けることができた。Aさんには感謝である。
一部返金してくれるのはありがたい、しかしKindle書籍(Koboもだけど)は二度と買わない、PDF書籍/紙書籍万歳、これが私の率直な気持ちである。
付録 PDF書籍対応サービス
最近の電子書籍はもっぱらPDF書籍を購入しているので、利用しているPDF書籍サービスを掲載する。
【緩募】
他にPDF書籍を販売しているサービスがあれば教えてください。